遺品整理とは

遺品整理とは

故人の残した品(家財道具、日用品、骨董品、貴金属・宝石類など)を整理し、不用品は処分し、形見分けになる遺品は親族や友人などに分配することを言います。遺品処理、遺品処分ともいいます。

概要

遺品とは一般的に不動産・動産問わず個人の残した物品全般を指しますが、特に故人が生前に使用していた生活雑貨・日用品や衣類・寝具・家具・家電製品など、古物としては財産価値の低い物品も含まれます。

故人の遺品を遺族(主に実子や配偶者などの親族であるが、子供のいない場合甥・姪、遺族の兄弟、法律で定める遺産相続人を含む)で分け合うことを形見分けと呼びます。

法律に定める死亡届、埋葬と違い遺品整理をいつまでにする、或いはいつからするという明確な決まりはなく、相続人・遺族の自由であるが、アパートやマンション、借家など、賃貸物件などは規約により具体的にいつまでに片付けをして大家(若しくは不動産管理会社)に明け渡さなくてはなりません。住居の契約者は故人自身である場合、死亡後2ヶ月以内に退去というのが一般的に多いケースであり、契約者が亡くなったのにも関わらず、遺族が家賃を支払い続けていれば特に問題はないだろうと考えるのは規約上問題があることが多いです。

どうしても2ヶ月以内に家財の整理・処分が難しい場合は大家、若しくは不動産管理会社と相談の上、退去日を決める必要があります。必ずこのような場合は規約を確認してください。

戸建の住宅や自己所有マンションなど賃貸物件じゃない場合は葬儀、四十九日などの法事が終わってから、遺品整理・処分にかかることが多いですが、若年の突発的な事故死などの場合はあえて片付けをせず、十年以上も現状のままというケースもあります。

一般的に故人が記していた日記・手紙・手帳(住所録やメモなど)・預金通帳などは、1年から2年程度は必要になることもあるので相続人が適宜保管し、遺産の分配など、親族間で揉めそうな場合は弁護士や司法書士などと相談の上、正しく保管する必要があります。

その他の家具や箪笥などの家財道具は地域の公民館や介護施設など福祉施設、書籍などは地域の図書館や学校などに寄贈されることもあるが、中には引き取り手のつかない、あるいは財産としての処分を行うこともできない物品もある。その際は自治体の定める方法で処分する必要があります。

貴重品
厳禁や通帳印鑑、有価証券、換金性の高い商品券など、直接的な財産。
思い出の品
写真や手紙、子や孫などからの贈り物のほか、趣味の道具や収集物(河原で拾った小石や貝殻、酒類のラベルなど希少価値の低いものも含む)。
衣類など
衣服や寝具など。
家具や家電製品などの日用品
生活家電やたんすなど家具類、カーテンなど。
食料品
冷蔵庫内の生鮮食品や保存食など。

これらの分類では、貴重品や思い出の品などは直接遺族や相続人に引き渡されるが、思い出の品の範疇でも、成人向けのDVDや玩具(アダルトグッズ)など、遺族の気分を害するようなものが含まれる場合は、業者が遺族側の心情を慮って処分することもあります。また、配偶者以外の異性からの手紙なども、内容を確認して直接遺産相続に関わらないものであれば遺族に断わり処分することもあります。

食料品は缶詰、レトルト食品など保存性に優れたものを除き、原則として処分されるが、家電製品、骨董品、美術品などでは中古品として売却された後、その売却益が遺族に渡されます(遺品整理費用と相殺する場合もあり)。

なお処分する・しないは原則遺族の意向が反映されます。

少子高齢化・核家族化を背景に、独居老人や引きこもり生活者の孤独死が社会問題化し、家具や生活用品が大量に残された状態で住人が亡くなった場合、残された遺族には遺品の整理と廃棄が負担となるケースもあり、今後は市町村など自治体での行政サービスが期待される。

一方、こういった廃棄される遺品の中から市場価値の高い物品を見つけ出して、買取販売する古物商もいない訳でもありません。

ただ単に廃棄されるゴミとして遺品を扱うことに抵抗がある遺族も少なくなく、ごみ処分を行う便利屋や一般廃棄物処理業者であると事務的にゴミとして片づけられ、遺族感情を害し、トラブルになることも少なくありません。

特に、持ち家の場合など、故人の生活家財一切合財ごとあえて処分をせず、不動産税を支払い続ける人もおり、地方農村部や地方都市・古い住宅街では、そのようにして親族などで管理されている無人の家というのも割りと見られます。賃貸物件と違い、特に問題はないが、空き家はホームレス者などの不法侵入や放火などの原因にもなるため、どうしても維持し続ける場合は警備会社などと契約して空き家の管理をすることが望ましい。

一般的に、無人の家は手入れする者が居ないことで傷みが早まる傾向もあり、不動産価値が下がることもあります。遺族の生活に一区切り付く法要(四十九日後が多い)のあとに整理業者に整理・廃棄を依頼するケースが多いです。

なおこういった遺品に埋もれる形で当人が他人には秘密で行っていた箪笥貯金やヘソクリなどが人知れず存在している場合もある。

稀に家電製品や古着などに混じって高額紙幣の束がゴミ処分場などで発見されるケースも報じられ、一つの発見報道に何人もの所有権を主張する者が名乗り出るなどの混乱も発生している。

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